市職員は全体の
奉仕者であって、その職務が
市民から負託された公務であることに鑑み、職務の執行の公正さに対する
市民の疑惑や不信を招くような行為を防止するとともに、
職員の
倫理観の高揚を図ることが必要不可欠であります。本市では、これまでも
法令遵守はもとより、信用の保持、服務上の義務の遵守などについて、様々な機会を捉えて
職員への周知を図ってまいりました。
なお、今回の件に関して
調査委員会を設置する
予定はございませんが、今後も引き続き、
コンプライアンスの推進と
ガバナンスの強化に努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔
市長 内藤佐和子君登壇〕
◎
市長(
内藤佐和子君)
玉野議員の、
コロナ禍における
危機管理についての御
質問に答弁申し上げます。
まず、公務における
自動車の使用に関しましては、
市長公務の遂行のため機動的な
交通手段を確保するとともに、
危機管理を徹底するため、
市長公用車を設置し使用しているところでございます。
ただし、1日の
予定スケジュールにおいて、公務以外に政務、
私的用務が見込まれる場合においては、
コロナ禍の状況にも鑑み、
必要最小限の範囲で
自家用車を使用する場合がございますが、自ら運転する場合は、常に法令を遵守し、
安全運転を心がけております。
市長公務には、市内での行事や
ホテル等で開催される
会合等への出席、また
県内外で行われる
要望活動など様々なものがございますが、常に所要の
感染防止対策が講じられていることを確認しながら、感染の動向や、私自身が出席や参加することの
必要性なども勘案して対応しているところでございます。
なお、8月18日の
要望活動につきましては、県、
徳島県議会自由民主党・
公明党県議団及び
関係市町の合同により、
四国横断自動車道及び
阿南安芸自動車道の
早期整備に向けた
政策提言を、
自由民主党本部の二階
幹事長のほか、国土・
財務両省に対して行ったものでございます。
関係者による
要望活動につきましては、地元の総意として、県、
県議会、
関係市町が連携して平成29年度から実施されており、こうした経緯のもと、本年度においても、
新型コロナウイルス感染拡大を抑えつつも
社会経済活動を上げていく段階という
感染症の動向を踏まえ、
要望体制の縮小をはじめ所要の対策が講じられた上で実施されたところでございます。
次に、
玉野議員の、
リバースプロジェクトについての御
質問に答弁させていただきます。本来、公務に関係のないことについては答弁する必要はないのですが、大麻の報道のことなどもありますのでお答えいたします。
玉野議員のお話から、その人物とは
伊勢谷さんであると推測してのお答えです。
私は、
伊勢谷さんとは一度もお会いしたことはございません。
また、
玉野議員の御
質問の中で、
市民環境部長の退職に関し、こんな時期に辞めるなんて何かあったのかとの御指摘がございましたが、そのような事実はなく、様々な局面において、
共通認識のもと、共に
重要課題に取り組んでおりました。退職につきましてはあくまでも
一身上の都合であったことを申し添えておきます。
〔26番
玉野勝彦君登壇〕
◆26番(
玉野勝彦君)
徳島市の
コンプライアンスと
ガバナンスについて、御答弁いただきました。このたびは
調査委員会は設置しないとの御返答です。しかし、二度とこのような
情報流出がないよう、庁内の
綱紀粛正を図っていただきますよう強く要望いたします。
市長の
危機管理について、御答弁いただきました。
自家用車を最低限使用されるとのことですが、
一般質問初日の昨日も
自家用車で登庁されています。
幾ら安全運転を心がけているとはいえ、
交通事故が起こらないとは限りません。特に議会中の
自家用車での登庁は慎んでいただきたいと意見しておきます。
8月18日の国への
要望活動時は、先ほどの
質問でも申しましたとおり、東京では
感染拡大特別警報が発令されている最中です。
幾らコロナ感染防止策を講じていたとはいえ、
徳島よりも
感染リスクは多くあります。帰県の翌日に、応神ふれあいバスの視察で同乗されることは、
危機管理の観点からしていかがなものかと感じます。
市長自らが
感染拡大を招くようなことがあってはならないと思いますし、東京への
要望活動が重要なものであるならば、
県外出張後2週間は
市民の方々との密は避けるなどの
ガイドラインを設けるべきだと意見しておきます。
阿波おどり
ネクストモデル事業について御答弁いただきましたので、
質問いたします。
補助金の内示が不採択の場合でも、来年の阿波おどりの
感染防止対策の検証が必要とのことですが、
補助金が下りない場合でも11月に開催するということでしょうか。その場合に、
貸付金の回収は可能なのでしょうか、お答えください。
御答弁では、
事業内容の詳細も
事業案もなく、阿波おどり
関係者への
ヒアリング等も行っていないということです。私が得た情報によりますと、
県協会は先週、本年中の阿波おどりはしないと
連長会で決定したそうです。阿波おどり
振興協会も、今週中に
連長会を開催し、本件への対応を協議すると聞いています。連長の中には、
内藤市長は観客のことばかりで
踊り子のことを考えていないと憤る方もおられるそうです。
踊り連の構成として、鳴り物は高齢の方の比重が高く、
コロナ感染を危惧されている方が多いとも聞きます。
金融機関にお勤めの女性の
踊り子に聞いたところ、確かに踊りたい気持ちはありますが、会社も許してくれないでしょうし、何よりも感染が怖い、踊りに命はかけられません、来春のはな・はる・フェスタでいいんではないんですかともおっしゃっていました。
このように、開催しても、
踊り連の参加も危ぶまれているのであれば、何の検証につながるんでしょうか。そして、本来であれば、予算を議会に上げてくる前に各連の参加意向、参加人数などをはかり、
実行委員会で
事業案を練った上で上程すべきものではないのでしょうか。さらに業者選定も不明瞭な、このような
事業を議会として通すべきではないと思います。
それでも、もし議会を通り本
事業を開催するということであれば、本
事業開催時に
コロナウイルスの
感染拡大が起こった場合、
市長、そして追認した議会に道義的責任が起こるかもしれません。自らの進退問題にも発展するおそれがありますが、それでも11月に本
事業を開催されますか、お答えください。
以上で代表
質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
〔
経済部長 横山 昇君登壇〕
◎
経済部長(
横山昇君)阿波おどり
ネクストモデル構築資金貸付金についての御
質問に答弁申し上げます。
まず、
観光庁から
事業提案の選定を受けなかった場合、11月に開催するのか、それと、
実行委員会に貸し付ける2,000万円が回収可能なのかとの御
質問についてでございますけれども、選定されなかった場合においても、先ほど申し上げましたように、この検証作業を実施することは必要不可欠と考えておりますので、何らかの形で開催を目指してまいりたいと考えております。
それから、
実行委員会への
貸付金につきましても、どのような方法で回収するのか、今後検討してまいりたいと考えております。
それから、
コロナウイルスの感染状況において、11月にどうしてもやるのかという御
質問をいただきましたけれども、
踊り連ともしっかりと連携して、
感染防止対策を十分に検討した上で実施してまいりたいと考えております。
なお、先ほど、
徳島県阿波踊り協会の協力を得られないとの御発言がございましたが、現時点で同協会には正式な依頼は行っておりません。今後、詳細な
事業計画を作成した後に、本
事業の協力をお願いしたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
宮内春雄君)議事の都合により小休いたします。
午前10時38分 小休
─────────────────────────────
午後1時 再開
○議長(
宮内春雄君)小休前に引き続き
会議を開きます。
小休前の議事を継続いたします。次は、9番佐々木昌也君。
〔9番 佐々木昌也君登壇〕
◆9番(佐々木昌也君)
徳島活性
会議を代表して、通告に従い、順次
質問してまいりたいと思います。
まず、
市長の政治姿勢について、本市の財政状況についてであります。
持続可能な
徳島市を子供たちに残すため、徹底した行財政改革を進める、そのためには、本市が非常に厳しい財政状況にあるということを
市民の皆様に分かりやすく示し、理解してもらうことが大切だ、これは、5月の臨時会における
市長の所信表明での弁であります。また、SNS上での発言を見ても、次の世代、子供たちにツケを残さないという考え方が
市長の政治信条の一つであることがうかがい知れます。
しかしながら、本市の財政状況を分かりやすく示していく作業は、そう簡単ではありません。あらゆる情報をオープンにして、できるだけ簡潔に繰り返し説明していくことでしか
市民の理解を得る道はないように思います。
昨日の本田議員の
質問に引き続き、随分重なるところもあろうかと思いますが、私も今回の
質問でその一端を担えれば幸いであります。
それでは、各種財政指標と地方公会計の財務書類における分析指標を用いて、必要と思われる何点かについてフォーカスして
質問してまいります。
まず、過去5年間の経常収支比率と地方債残高を、類似団体との比較と併せて答弁を求めます。
次に、財政調整基金と減債基金を合わせた基金残高について、過去5年間の金額を類似団体との比較で、そして本市の取崩し額についても答弁を求めます。
次に、地方公会計の財務書類における各指標のうち、資産形成度の視点から住民1人当たりの資産額について、統一的な基準による財務書類は平成28年度分から作成されていると思いますので、平成28年度から最新のものまで3年間の金額を、歳入額対資産比率は類似団体との比較と併せて、有形固定資産減価償却率、これは資産老朽化比率を表すものでありますが、世代間公平性の視点から過去3年間の純資産比率、将来世代負担比率、純資産変動計算書の中の純資産残高及び本年度差額について、それぞれお答えください。
次に、
重要課題等に係る外部評価
委員会の経過について、お尋ねしていきます。
さきの6月議会閉会の
市長挨拶とその後の
定例会見において、新たな総合ビジョンの策定に当たり、
重要課題におけるこれまでの
事業の進め方や合意形成の在り方などについて第三者によるレビュー実施を検討するとの発言があり、その後、8月中に2回、外部評価
委員会が開催されているようですが、改めてその経過についてお尋ねいたします。
次に、
徳島市政における要望等に対する公正な職務の執行の確保に関する条例の趣旨に基づく調査についてでありますが、さきの6月議会における当会派の代表
質問において、教育・保育施設等整備の予算化の過程における、本
事業に係る特定の第三者の過度な介入に関する事実調査を行うべきである旨申し上げました。そうした介入は決してあってはならず、事実関係を十分に確認しておく必要があることから、6月議会閉会日に、市議会4会派から、条例の趣旨に鑑み、教育・保育施設等整備に係る議員の働きかけを含むこれまでの働きかけについて再度しっかりと調査することについて、
市長に申入れをいたしました。調査につきましては鋭意進めておられると思いますが、既に2か月以上が経過していることから、現時点における進捗状況をお聞かせください。
答弁を受けて、
質問を続けてまいります。
〔財政部長 扶川康文君登壇〕
◎財政部長(扶川康文君)本市の財政状況に関する指標につきまして、順次答弁申し上げます。
まず、経常収支比率につきましては、平成27年度は類似団体の平均値が90.6%に対し本市が93.9%、平成28年度は類似団体の平均値が92.9%に対し本市が96.8%、平成29年度は類似団体の平均値が92.6%に対し本市が96.7%、平成30年度は類似団体の平均値が93.5%に対し本市が96.1%、令和元年度は、速報値ではございますが類似団体の平均値が94.6%に対し本市が96.7%となっております。
次に、年度末地方債残高につきましては、普通会計ベースで、本市は平成27年度が976億2,344万4,000円、平成28年度が975億5,703万1,000円、平成29年度が980億8,373万3,000円、平成30年度が990億3,709万8,000円、令和元年度は、速報値ではございますが998億6,664万円となっております。
なお、類似団体側平均につきましては、普通会計ベースで、平成27年度が639億4,093万7,000円、平成28年度が594億6,192万8,000円、平成29年度が600億8,843万5,000円、平成30年度が603億6,474万6,000円、令和元年度は、速報値でございますが606億819万2,000円となっております。
続きまして、財政調整基金と減債基金を合わせた年度末基金残高は、平成27年度が70億3,419万7,000円、平成28年度が62億8,934万4,000円、平成29年度が56億6,949万6,000円、平成30年度が57億7,811万8,000円、令和元年度は、速報値でございますが54億2,547万5,000円となっております。
なお、類似団体の平均につきましては、平成27年度が67億3,770万6,000円、平成28年度が67億9,038万6,000円、平成29年度が66億5,153万5,000円、平成30年度が65億2,685万6,000円、令和元年度は、速報値でございますが65億4,524万5,000円となっております。
次に、過去5年間の財政調整基金及び減債基金を合わせた取崩し額は、平成27年度及び平成30年度は取崩し額がございませんでしたが、平成28年度が12億9,071万5,000円、平成29年度が7億円、令和元年度が6億円の取崩しを行い、5年間で約26億円の取崩しとなっております。
次に、地方公共団体の財務状況を多角的に分析するための統一的な基準による、財務書類から見た各種指標につきまして、まず、都市の資産形成度を示す指標のうち、住民1人当たりの資産額につきましては、本市は平成28年度が100.1万円、平成29年度及び平成30年度が99.6万円で、類似団体の平均は平成28年度が153.9万円、平成29年度が153.8万円となっております。
次に、これまでに形成された資産が歳入の何年分に当たるかを示す歳入額対資産比率につきましては、本市は平成28年度が2.7年、平成29年度及び平成30年度が2.6年となっております。
なお、類似団体の平均との比較でございますが、現時点で平成30年度の数値を公表していない団体がございますことから、参考ではございますが、平成29年度決算で比較いたしますと4.2年となっております。本市より1.6年長く、本市を含む32類似団体中27位となっております。
また、本市における資産の老朽度を示す有形固定資産減価償却率につきましては、平成28年度が64.3%、平成29年度が65.4%、平成30年度が66.3%となっております。
次に、本市の世代間公平性を表す指標の推移につきましては、純資産比率は平成28年度が53.5%、平成29年度が53.0%、平成30年度が52.8%、将来世代負担比率は平成28年度が21.9%、平成29年度及び平成30年度が21.7%となっております。
最後に、本市の純資産の変動を示す純資産変動計算書における年度末の純資産残高及び本年度差額につきましては、平成28年度は1,371億9,900万円で、本年度差額が38億700万円の減、平成29年度は1,347億5,200万円で、25億2,700万円の減、平成30年度は1,337億4,400万円で、10億900万円の減となっております。
以上でございます。
〔企画政策局長 飯田博司君登壇〕
◎企画政策局長(飯田博司君)
重要課題等に係る外部評価
委員会の経過についての御
質問に答弁申し上げます。
一般廃棄物中間処理施設の広域整備をはじめとする本市の
重要課題につきましては、これまでの
事業の進め方や合意形成の過程に多くの課題があったとして、さきの6月
定例会において議員の皆様からも御指摘があったところでございます。外部評価
委員会の設置につきましては、こうした御議論を踏まえ、まず6月
定例会閉会日の
市長挨拶におきまして、新たな総合ビジョンの策定に当たっては
重要課題を十分に精査しながら進めてまいりたいとの考えを申し上げた上で、本市の
重要課題におけるこれまでの
事業の進め方や合意形成の在り方について、第三者によるレビューの実施に向けて検討を進めたものであり、その後の
市長の定例記者会見におきましてもその旨をお伝えしているところでございます。
その後、去る8月19日に、本市の
重要課題に係るこれまでの課題・問題を精査し今後の改善につなげますとともに、行財政改革の視点や社会情勢の変化を踏まえた
まちづくりの方向性や具体施策の在り方について専門的な見地から御意見・御提言をいただくため、大学教授や公認会計士など学識者及び有識者6名から成る、
徳島市
重要課題等に係る外部評価
委員会を設置いたしました。同日の第1回
会議と8月26日の第2回
会議では、防災機能の強化と一般廃棄物中間処理施設の広域整備につきまして、
事業の進め方や合意形成プロセス等の観点から議論いただいたところでございます。
まず、防災機能の強化につきましては、市役所本庁舎の地下施設の浸水対策は、災害時に災害対策本部の機能を確保する上で問題があることから、上下水道局庁舎の建て替えに合わせ本庁舎の電源設備などを移設することが困難であるならば、改めて上下水道局庁舎の立地場所を含め、建て替え計画の見直しを考えてみるべきではないかとの御提言のほか、都市計画の観点からの防災機能の強化やインフラ投資と財政のバランス、また、上下水道局庁舎改築計画の公共施設等総合管理計画との整合性などにつきまして御意見がございました。
また、一般廃棄物中間処理施設の広域整備につきましては、候補地選定基準の趣旨から考えますと、最有力候補地の選定後、平成30年3月にアクセス道路を含む近隣が土砂災害警戒区域に指定されたことが判明した時点で一旦立ち止まり、きちんと検討し直すべきであったという点で、候補地選定のプロセスが適正ではなかったと言わざるを得ないという御意見に加えまして、
事業費に不確定要素が多く多額になる可能性があることや土砂災害のリスク、また地域住民との合意形成など様々な課題があり、現候補地でそのまま進めていくことは難しいのではないかとの御意見がございました。
今後、関係部局におきまして、このたびの外部評価
委員会での御意見・御提言も踏まえる形で、早期に方向性が見いだせるよう検討・協議が進められるものと考えております。
以上でございます。
〔
市長 内藤佐和子君登壇〕
◎
市長(
内藤佐和子君)佐々木議員の、
徳島市政における要望等に対する公正な職務の執行の確保に関する条例の趣旨に基づく調査についての御
質問に答弁申し上げます。
調査の進捗状況についてでございますが、同条例では、
職員が要望等を受けたときは、単なる問合せや事実関係の確認である場合などを除き、要望等の内容を記録しなければならないこととなっておりますことから、条例が施行された平成31年4月1日以降、記録し保存されている全ての要望等記録、加えまして、条例施行前における
徳島市職員に対する不当な働きかけ等の防止等に関する取扱要綱に基づき作成された記録票のうち、現在も保管されているものについて、各部局に提出させ調査するよう総務部に指示いたしました。
その後、これまで約1万5,000件の膨大な量の記録に関し、一般的な要望として処理されている中に、不当な要望等または不当要求に該当する疑いのあるものはないかなど、内部調査を進めてまいりました。
なお、疑義のある案件については詳細な再調査を行うよう担当部局に指示しており、現在、内部の調査結果を取りまとめているところでございます。
以上でございます。
〔9番 佐々木昌也君登壇〕
◆9番(佐々木昌也君)
質問を続けてまいります。
答弁いただいた各種財政指標から、本市の財政は硬直化が最悪の状況まで進み、資産は老朽化に歯止めがかかっておらず、将来世代の負担が増すばかりの状況であることが見てとれます。
6月議会でも議論がありましたが、地方財政健全化法の4指標によって健全であるとの判断だけで地方自治体の運営を行うことがいかに危険で、いかに愚かなことであるか。なぜ地方自治体は、地方公会計の導入により財務書類を作成し、固定資産台帳の整備を求められたか。インフラを含む公共施設が大量更新時期を迎え、莫大な費用を要することになる、それが財政を圧迫し、今までのような行政サービスを提供することが困難になる、それに備えて行財政改革を断行し、基金を蓄え、いかにして行政サービスを維持するかが最
重要課題であったからにほかなりません。
その意味からも、前市政の4年間、これは本当に重要な時期でありました。答弁にありましたように本市では、地方債残高は平成27年度からの5年間で22億円増やして1,000億円に迫ろうかという数字になっておりますが、類似団体では、平成27年度からの5年間で33億3,000万円減少させて、令和元年度に606億800万円になっております。財政調整基金と減債基金を合わせた残高は、平成27年度の70億3,419万7,000円をピークに、5年間で16億円減少させて54億2,547万5,000円にまでなっており、一方、類似団体では、平成27年度からの5年間で僅か2億円弱の減少にとどめ、令和元年度に65億4,000万円としているようであります。類似団体では近い将来を見越して、行財政改革の成果としてこうした数字を残してきている、これはまさに地方の頑張った姿にほかならないものであると言えます。
過去4年間、当会派も、その行政手法に再三再四にわたり警鐘を鳴らしてまいりました。ましてや、平成17年に出された財政危機宣言がずっと継続されていた状況にもかかわらず、ただただ漫然と予算額を膨らませ、基金を取り崩していく、その額たるや、4年間で総額26億円にも上ります。その中身も解さず、1,000億円の地方債残高を少ないと発言するような人が4年間も本市の行財政運営のトップであったことに、今さらながら愕然といたしております。
資産形成度から、住民1人当たりの資産額も、平成28年度の100万1,00円から平成30年度で99万6,000円と減少。類似団体ではどうか。これは平成29年度の数字になりますが、153万8,000円、歳入額対資産比率でも、平成28年度が2.7年、平成29年度、平成30年度ともに2.6年と減少いたしております。類似団体では、これも平成29年度の数字になりますが、4.2年。本市の資産形成度が類似団体に比べて随分と低いことが分かります。
内藤市長の危惧する、次世代へのツケを残さないということにつきましては、純資産変動計算書の本年度差額で見てとれます。プラスであれば、現世代の負担によって将来世代も利用可能な資源を蓄積したことを意味するものであります。一方で、マイナスであれば、将来世代が利用可能な資源を現世代が費消して便益を享受していることを示唆しているものであります。本市の状況はマイナスで、平成30年度で10億900万円もの金額を次世代にツケとして残しているという状態ということになります。
そこで、内藤市政ではこの財政状況をどのように分析いたしますか。そして、対策の進んでいない公共施設等の老朽化対策に必要な金額がどの程度になるのか、また、投資的経費はどのように変遷してきているのか、答弁を求めます。
続きまして、
徳島市政における要望等に対する公正な職務の執行の確保に関する条例の趣旨に基づく調査の進捗状況についてであります。
件数が膨大であること、また十分な確認や再調査を行う必要もあることから一定の時間を要しているということは分かりますが、答弁にあったように、早急に内部の調査結果を取りまとめる必要があると考えます。調査結果にもよりますが、既に疑義のある案件もあるようですので、当然のことながら、何らかの対応が必要だと思います。
今後、内部の調査結果を取りまとめた後、どのように対応していく方針であるのか、お答えください。
〔財政部長 扶川康文君登壇〕
◎財政部長(扶川康文君)初めに、先ほどの初問での答弁につきまして、平成30年度の類似団体の住民1人当たりの試算額につきましては、公表していない団体がございますので数値がないことを、この場をお借りして付け加えさせていただきます。
それでは、財政状況の分析及び投資的経費の変遷と老朽化対策についての御再問に答弁申し上げます。
まず、財政状況の分析でございますが、先ほども初問で答弁しましたとおり、平成27年以降経常収支比率は急速に高くなり、令和元年度では96.7%となっていることから、財政の硬直化が一層進み、基金取崩しによる財政運営が常態化しつつあること、また、資産形成においては毎年資産が減少しており、施設の老朽化は確実に進んでいるものと考えております。
次に、投資的経費の変遷と老朽化対策についてでございますが、投資的経費を10年前の平成21年度と比較いたしますと、平成21年度の一般会計ベースで112億6,161万円から、令和元年度では87億5,862万円となっており、約25億円減少しております。
こうした中で、施設の老朽化対策につきましては、平成28年度に
徳島市公共施設等総合管理計画を策定し、その対策費用として毎年約177億円が必要となる試算を行っておりますが、近年の社会保障関係経費の増加などによりまして、投資的経費の抑制等により財源調整をしてきた結果、老朽化対策が進んでいない原因の一つとなっているものと考えております。
以上でございます。
〔
市長 内藤佐和子君登壇〕
◎
市長(
内藤佐和子君)佐々木議員の、
徳島市政における要望等に対する公正な職務の執行の確保に関する条例の趣旨に基づく調査についての御再問に答弁申し上げます。
今後の対応方針についてでございますが、個別案件に対する専門的見地からのさらなる調査が必要であると考え、これまで様々な調査方法について検討してきたところであり、現在、法律や不当要求行為への対処方法に関する知識と経験を有する
専門家による調査体制を早々に構築するため、準備を進めているところでございます。
なお、調査に当たりましては、個別案件の事実調査にとどまらず、条例の機能についても十分な検証を行うことでその実効性を高め、
職員が働きやすい職場環境と市政の透明性をしっかりと確保してまいりたいと考えております。
以上でございます。
〔9番 佐々木昌也君登壇〕
◆9番(佐々木昌也君)私の意見を少々申し上げて
質問を続けてまいります。
投資的経費については、令和元年度で約88億円、ここ10年で約25億円減少しているとのことであります。平成28年度に策定されました公共施設等総合管理計画では、老朽化対策に毎年約177億円が必要と試算されているとのことであります。投資的経費を全額振り向けたとしても到底及ばない金額であることがよく分かります。このままの状態が続けば、本市の行政サービス提供能力が、悪い意味で、道路や橋梁といった工作物に現れてくることになりかねません。
もちろん、本年度末に策定が求められている個別施設計画や、翌年度に
予定される公共施設等総合管理計画の見直し作業において、今出ている数字を突き詰めていく必要はあります。そして、現時点で財務書類作成作業の正確性が十分でないこともまた事実であります。毎年度の固定資産台帳の更新作業が、その
必要性・重要性とともに、自治体における新たなルーチンワークとして組み込まれたことを認識した上で、更新の手順を具体的に示して担当者に作業を促し、正確性を期すために全体を統括する必要があります。そして、財務書類の精度を向上させることが、本市における地方公会計推進の基盤となります。
しかし、地方公会計の財務書類は、あくまでも財政構造改革のためのツールの一つにすぎないことも理解しておく必要があります。提案理由説明で示されたように、このままいけば令和6年度には財政調整基金と減債基金は枯渇し、赤字団体に転落するとのことであります。今後、先ほど申し上げた財政構造を劇的に転換することはもちろんでありますが、今日は触れなかった行政組織の改革を大きく進める
必要性が強く求められてまいります。
重要課題等に係る内部評価
委員会において、一般廃棄物中間処理施設の広域整備における候補地選定プロセスが適正でなかったとの意見があったようで、それに加えて、他の課題でも様々に行政手法に誤りがあったことが浮き彫りになりつつあるのではないでしょうか。
重要課題の解決に当たり、そのプロセスをおろそかにし、市政を誤った方向に導こうとした前市政の轍を踏まないよう、提案理由説明でも言及されているように、きちんとプロセスを踏んで
重要課題の解決に当たることが肝要であると思います。
徳島市政における要望等に対する公正な職務の執行の確保に関する条例の趣旨に基づく調査の今後の対応方針について、答弁いただきました。市政が第三者の過度な介入によってゆがめられることはあってはならず、住民にとって不利益となる上、
職員も疲弊し、さらには市議会に対する住民の信頼を損なうことになりかねません。ましてや、教育・保育施設の整備という、
徳島市の将来を担う子供たちの健全な育成を図るための重要な
事業への過度な介入があっては言語道断であります。今後、内部調査で不透明な部分があれば、答弁にあるように、専門的識見のある方の力を借りてしっかりと調査を進めるよう求めておきます。
新型
コロナウイルスの
感染拡大によってもたらされた戦後最悪と言われる経済状況の中、本市の財政状況を取り巻く環境もまた、一層厳しさを増していくものと思われます。そんな中、今後10年間とこれまでにない異例の長期の財政収支見通しを示したことにつきましては一定の評価をしたいと思いますが、同時に、どういった対策を取っていくかが10年という長期スパンで問われることにもなります。
重要課題の解決に向けては、新ホール整備問題で、県・市協調のもと、県立ホールとしての整備を県に申し入れ、報道によりますと飯泉知事はこれを意欲的に受け止め、
県議会においても一部会派からは否定的な意見があったものの、おおむね各会派から好意的に受け止められたように思います。
今後、様々に課題はありますが、
市長のこの発想の転換による提案は、他の
重要課題も解決に向けて大きく前進させる、そういった期待を抱かせるものであると思います。
以上、本日質疑したことを踏まえて、
市長は今後どのように行財政運営を行い、
重要課題の解決に向けてどのような方針で当たられるのかお伺いして、私の
質問を終わります。
〔
市長 内藤佐和子君登壇〕
◎
市長(
内藤佐和子君)佐々木議員の、今後の行財政運営についての御
質問に答弁申し上げます。
御承知のとおり、本市では平成17年の財政危機宣言以降、厳しい財政状況が続く中で行財政改革に取り組んできましたが、近年、市税収入が伸びない中での社会保障関係経費の急増などによりまして、基金の取崩しによる財政運営が続いております。
さらに、議員御指摘の老朽化に伴う公共施設等の改修・更新にも多額の経費が必要となることに加え、大型建設
事業も控える中、新型
コロナウイルス感染症の影響により、今後、さらなる市税収入の減少が危惧されるなど、本市を取り巻く財政状況は一段と厳しさを増しております。
今後とも持続可能な
市民サービスを提供していくためには、中・長期的な観点から財政構造のさらなる改善に取り組みながら、これまでの
事業の在り方を見直し、効率的かつ効果的な
事業を進めていく中で財源を捻出し、新たな施策に活用するなど、将来を見据えた健全な行財政運営を確立していくことが最も重要であると考えております。
具体例で申し上げますと、6月
定例会でも議論いたしました教育・保育施設の整備の在り方でございます。民間による教育・保育施設の整備を行う場合において、定員枠にも満たない公立施設をそのままの状態にして民間施設の整備を進めますと、公立施設に要する多額の管理運営経費が毎年投入され続けることとなり、これは各種
事業に配分している限られた財源が有効活用されていないことにつながります。
そうならないためにも、まずは今後における公立施設の
必要性などについて、ソフト・ハードの両面から検討を行い、公立施設の統廃合を含む再編計画を策定することで、公立施設の管理運営経費等の削減・スリム化を図る必要があります。その上で、
待機児童解消に向けて民間施設を整備しなければならないのであれば、計画的に民間施設の整備を進めていくべきであり、このことは、全国の多くの自治体でも同様の取組を行っております。
また、この再編計画によって生み出された財源は、今後の民間施設の整備や少子高齢化対策、地域活性化といった
事業にも有効活用することが可能となり、行財政運営面における効率化・健全化にもつながってまいります。
一例を申し上げましたが、こうしたプロセスを踏んでいく取組は、継続した行財政運営を行っていく上で最も基本となる考え方の一つであり、今後も、その考え方をもとに公・民の役割分担をしっかりと図っていくとともに、現在進めております様々な
事業者との包括連携協定に基づき、民間の力を各施策に生かしながら
市民サービスの維持と向上に努めてまいります。
また、さらなる歳入の確保対策をはじめ、引き続き
事業の統廃合を含めた見直し等によって捻出した財源を、議員御指摘の公共施設等の老朽化対策や、今後取り組まなければならない大型建設
事業などに活用しながら、次世代に過度な負担を残さないよう、全力で行財政健全化の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
最後に、
徳島市
重要課題等に係る外部評価
委員会では、本市の
重要課題を対象として、これまでの
事業の進め方や合意形成の過程などについて、改めて
専門家の目線から精査いただいたところでございます。今後におきましては、これからの
まちづくりと密接に関わる
重要課題が山積しておりますが、きちんとプロセスを踏みながら、スピード感を持ってその方向性や道筋を検討し、市政を着実に前に進めることにより、本市ならではの魅力があふれ、
市民誰もがこの町が好きと感じられる、わくわくするまちを実現してまいりたいと考えております。
以上でございます。
○議長(
宮内春雄君)本日は、これにて散会いたします。
午後1時49分 散会...